外を出ていると実にうらやましい奴らがいる。
そいつらはリーマンだ。
リアルのリーマンの方々からすれば、どこが羨ましいじゃボケなす!とのお声もあるかと思うが、無職の社会不適合者からしてみれば、そんなあんたらは羨望の眼差しで見るに値する立派な人間だ。
リーマンと言っても、世の中の人間全てがそうであるように玉石混交であろう。
冴えないやつも冴えているやつもいる。
ただ、いずれにしろジョブがある。
安定収入。今現在、俺が喉から手がでるほど欲しいものだ。
正社員で働いていればそれが手に入る。
犠牲は計り知れないが。
働かないで自由に振る舞ってみてわかることがある。
それは、自由を演じているにすぎないということだ。
では、ほんとうの自由を手にするために足りないものはなにか。
それは、収入である。定期的にプロバイドされるマネーフローである。
つまり、不労収入で生きていけるという前提があって始めて自由になれるというわけだ。
あやしいセミナーっぽいセリフだが、事実そうだと思う。
一般的な日本人の男性は、普通に高校を卒業して、大学に入学して、就職活動をして、なんとか企業に入社して、上司にガミガミいわれつつも、毎日仕事をこなす。
結婚して、子供ができて、守るべき家庭というものができあがる。だから、会社は辞めるわけにはいかない。家族を守るために。
義理の父母との中は普通。子供も普通。奥さんも普通。どこにでもいる普通の人間。
ちなみに、とびきりのいい女を嫁にして、ヒルズ住まいで大手ECサイトの社長とかは眼中にない。そんなの天地がひっくり返っても無理だから。
そんなんじゃなく、ごく普通の生活をしている人が羨ましい。
俺にはない、悩みなどがあるだろうが俺には想像する余裕はない。
なぜ、羨ましいか。
それは「普通」だからだ。
こういう人生からドロップアウトした俺としては、普通の人生に憧れる。ああ、こいつは人並みの苦労と、人並みの幸せを手にしていて、同じような生活をしている家族と交流をしている。
無職とは交流しないだろう。決して交わることがない人生なのだ。