電車の中でぼやいているやつがいた。
なんでこう世の中おかしいやつばかりなんだと言っていた。
なんで俺だけみたいな映画出演時のクリリンみたいなことも言っていた。
全面的に同意した。
ソイツも俺と同じような人生だったんだろう。
不幸な人生だったんだろう。それこそ。
数々のトラウマを重い荷物のように体にぶら下げ、重い重いとぼやきながら人生という険しい山登りをしている。
街を歩いているとそんなやつは滅多にお目にかかれない。
稀有な例と言えよう。
天晴れだ 誉めて遣わす。
どいつもこいつも、人生がうまく回っている顔で歩いている。
平日は同僚と楽しそうに喋りながら歩いているホワイトカラー、ブルーカラーもブルーカラーでわいわい喋りながら楽しそうにしてやがる。
土曜日曜はいわずもがなだ。
顔に出てるやつはホームレスぐらいに思えてくる。
彼らの表情は一様に暗い。
オーラが一般人のそれではない。
退廃的なオーラを纏い道を頭をうなだれ足を動かしている。
俺もそんな感じで歩いてます。