東陽町から錦糸町まで歩いていて、中間地点くらいでパトカーがどいてどいてーみたいなアナウンスをしてありがとやしたーみたいに一般市民に礼を言って通り過ぎていった。
そのまま北上していくと住吉駅前に2台のパトカーが止まっていた。
こりゃ駅で何かあったわなとそりゃ思う。
駅のトラブル。駅のアナウンスで暴力・痴漢がどうのこうの言っているのを聞くからどちらかだろう。痴漢はさっぱりわからないが、暴力は分かる。苛ついているときに苛ついたことをされるとめちゃくちゃ苛つく。それがダブル・トリプルで重なると自分を抑えるので手一杯、気持ちはわかる。
そう言えば図書館の問題児がそういうやつだ。図書館の問題児の場合は相手が引き下がってくれてるから救われているがとんだババを引いたら最後どうなってしまうか、今回のような（想像）警察沙汰である。
そんなババを引いたおっさんを目にしたことがあった。
始発駅。発車まで10分くらいかかる駅。夕方の時間帯で車内は混雑している。
斜め前方にいたスキンヘッドのおっさんがそのおっさんの真横にいた長身の若者にブーブー文句を言った。
体がぶつかったとか荷物がぶつかったとかそんな感じのトラブルが発生した。そしたらまさかの若者ブチギレ。
身長が高いと態度もデカくなるのか徹底抗戦の構え。
降りろよと若者がおっさんに凄むもおっさんが黙り込む。
やがて若者が電車から降りる。
そして、降りろぉ！！！と怒りで声が震えているのが分かるような怒号を車内のおっさんに向かって浴びせる。
しかし、おっさんは微動だにしない。
やがて駅員がやってきて、お客様と外で叫んでいる若者をなだめようとするも、若者は理性がぶっ飛んでしまっていて、取りつくしまもなく車内のおっさんに向かって一定の間隔を置いて叫ぶ。やがてちょっと理性を取り戻したのか声にも若干の落ち着きが感じられるようになり、腰抜けとか、ハゲぇ（某議員じゃないけど）ボキャブラリーが増えてきた。
発車時刻を割り込む焦燥感に襲われた駅員が車内に入り込み、おっさんに一旦降車するように促すも、おっさんは無言。ぶるっちまっているっぽい。
意思に反して強引に下ろすわけにも行かず、駅員が車内から出ていく。
結局、時間が全てを解決するじゃないけれど、激高した若者もおっさんが腰抜けに見えたのか落ち着きを取り戻し最後っ屁を吐いて、予定時刻に電車のドアが閉まり、発車。若者は次の電車を待つことにしたらしく、電車を一本見送ることにしたようだ。
その間おれはずっと車内にいたのだが、よくよくおっさんを見るとおっさんの後ろの肩の部分にツバがかけられている。
あの若者が吐いたのか。これって暴行罪じゃなかったかと思った。おっさんは相手が悪かった。ヤバイやつに絡んでしまったのだ。南無。
まだある。
これまた小汚いおっさんが、車内でうるさめにしゃべっている母娘（娘は子供）に対してうるせぇなぁとか感情をストレートにぶつけた。
しかし母親はなんだこのジジイとばかりに反撃する。そして言い合いが始まる。親父の方も女を見下している感じでそんな女が突っかかってきたもんだから、車内はヒートアップ。やがて娘も泣き出しとんでもない状況になった。
そこで思いがけないことがあった。俺の斜め前くらいにいた20代くらいの女性が、うるさい！とめちゃくちゃでかい声で一喝したのだ。
ハンターハンターの天空闘技場でまだ念が使えないころのキルアにズシが念を使おうとした時にズシぃ！！！とウイングさんが一喝したような感じ。
母親、おっさん含めその空間にいた者全てが黙り、車内がシーンと静まり返った。
その後、また言い合いを始めるかと思ったら、尻すぼみのような形で口論が終わった。子供の涙も紛争の終結に寄与したかもしれない。
駅に到着し、駅員を交えて第２ラウンドが始まったかどうかは覚えていないけれど、一喝した女性は母娘側についていた。母も礼をしていた記憶がある。
あとは、ものすごい質の悪い酔っぱらい。
酔っぱらいとリーマンらしき男が口論になったらしく、電車に乗るも追っかけてきて、リーマンでる⇢酔っぱらいも出る⇢リーマン逃げる⇢酔っぱらい追いかける。
その間酔っ払いはオペラ歌手のようなクソバカでかい通る声で、警察？上等だゴルァ！！と追っかけまわしながらものすごい罵声を浴びせていた。何回も。
今まで見た酔っぱらいの中で最もエネルギッシュで敵に回したら一番怖い奴だった。
その後どうなったかは知らんが、宥める駅員も大変だ。うるさいわ、酒くせーわで。
しかしいきなり殴り合いをはじめたというのは見たことがない。
西村博之の話だと、電車での暴力の被害者はだいたい駅員らしい。
それにゲロ掃除とかもしなきゃいけない。
しかも俺ですら何回も見たことがある。隣でいきなり吐かれたこともある。（いきなりぶしゃ！じゃなくてポタポタとヤバそうな感じだったから緊急避難して難を逃れた）
それだけならいいが、人身事故で人がミンチになることもある。普通にトラウマもんである。
よくこんな仕事してられんなぁと改めて思った。
まだこの手の話は思い出せばあるだろうけれど、今思い出せるのはこのくらいか。
