神宮外苑。
野球場の裏門みたいなところから男女ができてた。
ここで何故か俺は俺の中で何かが氷解した気がした。
俺は常日頃、女性に特別枠を設けてディスっている。
能力的には男性よりも劣っている者の比率が多いということは世間一般の共通認識となっているから、レディーファーストだの所得格差からレディースデイみたいなもんがあるのだと捻くれながらも理解している。見当違いと言われようが別にいい。
だから女性には優しくということなのだろう。
でも俺はそんなことを思ったことはない。
それって、もしかしたら俺が小学生以来、女性と社会生活(学校生活とか、バイトとか)を共にした経験が皆無だからなんではなかろうか。
それが氷解した何か、に近い。
中学高校⇢男子校。
大学⇢全然いかずボッチ。
就職⇢せずに引きこもった。
思えば小学生以来女性と接点がまるでない。
普通の人は人生のどこかしらで女性と接点を持つ。
男子校であろうと、大学や就職先で女性と接点を持つ。
そして色々な女性を見る機会に恵まれる。
クソな女もいれば、素晴らしい女性もいる。
恋に落ちて成就することも、振られて枕を濡らすこともある。
それにはそういう甘酸っぱくも塩辛い経験がない。
そういう経験がある人だから女性の愚行を生暖かい目で見ることができるんだろう。
逆にそういう経験が皆無なくらいないと俺の様な感じになってしまうんだろう。
それが氷解したことだ。