夏。
それはコンプレックスを抱える人間にとってマスクで顔を隠せない季節でもある。
とは言え引きこもり期間中、どうしても日中に外に出なきゃいけないこともあった。
例えば、虫歯を放置して中から食い破られて神経が死んだ状態の歯をどうにかしなきゃいけなくなった時とか、体に蕁麻疹、足にウイルスイボができてにっちもさっちもいかなくなった時とか、役所とか年金関係でそいつらの事務所に足を運ぶ時とか。
そんなときでも俺はマスクをつけていた。夏でも。
マスクという存在を知ってからマスクなしでは外を歩けないくらいだった。
顔の半分以上隠せるという最大のメリットがマスクにある。
コンプレックスを抱える者にとって願ったり叶ったりのシロモノなのだ。
そんなマスクだが、かつて俺は1年中装着していた。
でも今はつけてない。夏は。
コンプレックスをさらけ出している。
でも外科手術で多少マシになったというのがなんだかんだで最もデカいと思う。
金があれば整形したほうがいいかも。後々を考えると自己責任でとしか言えないけれど。(ちなみに俺は美容整形手術はしていない)
まず夏にマスクは普通におかしい。
夏にマスクをつけている人は全然いない。
冬はいっぱいいるのに。
冬はわかる。
口周りが寒くて鼻がヒリヒリ赤くなる。
それをマスクで大分軽減できる。
冬にマスクをするのは、風邪予防とか(もあるけど)じゃなくて保温のため、というのが冬に長時間外をほっつき歩いていた俺の感想。
対、赤の他人。
誰も見ちゃいない。
別に他人に見られてどう思われようとも俺に影響はない。
赤の他人で背景の一部に過ぎない。
ここ1年そういう感じでアホみたいな距離を1日歩いていた。
真夏の酷暑の中歩く際にマスクは致命的に汗と体力を奪うという現実的な問題もあった。
最近それもコンプレックス再発で崩れたが、また持ち直した。
どん底から這い上がった今が最も外で素の自分でいられてる気もする。
花粉の季節も過ぎ去り、今の時期にまだマスクをつけている人はコンプレックスを持っていると思うんだがどうだろう。