よくあるパターンとして、電車で錦糸町まで帰ってきてから、徒歩で帰宅する道すがらで美人の彼女を連れた男が出現することがある。
そういう時に、以前だと幸せそうな女にムカつくという女性同士の間の嫉妬に似た感情を覚えていた。
（男は経済力、女は容姿が自分よりも上の同性に嫉妬する傾向があるらしい。）
でもそれは本当の感情ではなかった。
俺もいい女を彼女にしたいんだろう。
しかし、俺の恐るべき特徴というのが浮かび上がったかもしれない。
それはねとり願望。
いや、そこまではいかないけど、隣の芝生のようなもので、男連れの女は1人で歩いている女よりもやたら魅力的に見える。
あれは何故だろう。
というか最近は街歩いていて、1人の女は結構な美人でも1分くらいで忘れてしまう。
そういう美人は仏頂面で歩いている。
しかし、彼氏連れの女は幸せそうな顔で歩いている。
その顔が魅力的なんだろう。
美人の顔と組み合わせると破壊力は抜群だ。
今日も容姿全振りのような女を連れた男がいた。
スタイルがよく、そのスタイルを露出方向ではなく可愛くまとめたような感じの服装、腰の位置が高い。髪が茶髪でウェーブロングヘア。顔は斜め後ろから見えたが少なくともブサイクではなさそうだ。
男は身長高めでスタイルが良さげなフツメンのメガネ。
同棲しているんだろう。
さぞかし幸せなんだろうなと思った。
そして今日一番のゲンナリが襲ってきた。
でもわからないことがある。
美人を連れたい、可愛い子を連れたいというのは自己顕示欲のようなものなのか。
当然、男から羨ましがられるだろう。
そうなると当然、そういう男たちより圧倒的に上に立っているわけだ。
そういう気持ちを満たしたいのか。
実際容姿のいい彼女を連れている男はそんなことは考えていないのか。
繁華街に出くわすとこういう気持ちになるかと思いきや、地元の道でこういう気持ちが強くなる不思議。
ホリエモンの本で傍らに女性がいないと心が荒むと書いてあったが、俺も例に漏れずホリエモンなのだろう。
いくら方向を逸らそうとしても、頭の中から完全に排除することができない。
ひたすら苦しい。
無職でジリ貧と一生彼女なし
どっちが辛いんだろう。
