↑の続き。
俺はまさにポップだった。
ダイの大冒険。主人公ダイと仲間のマァムが最初のボス敵である獣王クロコダインとの交戦中、仲間のひとりであるポップは怖気づいて戦いから逃げ出した。
ここで、まぞっぽという小悪党キャラに諭され、勇気を振り絞り仲間を助けにかけつけるという流れ。
俺は彼女たちが座っている席におもむろに近づいていき、ジェスチャーで降りる駅だよ!みたいなアクションをした。
どうせ電車の走行音で俺の小さな声はかき消されるから・・・みたいな心理が働いて喋れなかった。
失語症じゃねーか。情けねー。後から思う。
彼女たちはあっけに取られたような顔をしていた。
まさに鳩に豆鉄砲くらったような顔。
(あ、やべ・・・やっちゃった。これじゃ変人だわ・・・)
余裕がない状況でも頭の片隅でそんなことを思いつつも、彼女たちを降ろさにゃならんから、ダメ元で、こっちこっち!みたいな手招きのジェスチャーをした。
ふと後ろをむくとなんとついて来てくれて、いっしょに降りた。
そこまではよかったが、その後がノープランだった。
(え・・・どうしよう。何話せばいいの?言葉通じないし、英語しゃべれない。韓国語を日本語に翻訳したボイスを聞かせてくるくらいだから相手英語しゃべれないんじゃ・・・俺もしゃべれないけど。)
んなことを考える間も与えられず、彼女たちがめっちゃ。
不安な顔で、ここ○○駅?みたいに聞いてきた。
さぁ、どうする。
(次に続く)