木場駅の高架下を通り過ぎる時に、大きな声が聞こえてきた。よくよく聞くと歌を歌っているようだ。しかも大声で、周りの人は怪訝な顔をして見ていたが、本人はそういう人たちがまるで見えていないかのようにまっすぐあるきながら、外野の視線を意に介さず、熱唱していた。
特徴は小太りで刈り上げた短髪でメガネ、小太りで20代くらいだろうか。格好は半袖リュック。無精髭の小汚い面。
顔自体は知的障害者風ではなく、一見すると普通に見えた。健常者だとすると、なぜ人目も気にせず熱唱していたのだろうか。少し考えてみた。
1.ストレスで壊れてしまった。
人間というものは、時に壊れてしまうものである。
ストレスを溜め込んでしまうと、限界が訪れる。そして、そのままガス抜きせずに、そのままの状態にしておくと、壊れてしまう。彼はそんな事があって、一時的に壊れていた可能性がある。
2.応援歌の練習
阪神タイガースの応援歌をうたっていたということは、熱烈な阪神ファンかも知れない。そして、度々球場に足を運んでいて試合の度に応援歌を熱唱しているのかもしれない。そんな練習熱心な人間だと仮定すると、移動中も練習したいはずだ。移動中に情報をインプットしたい歩きスマホのように、彼は歩き熱唱をしていたにすぎない可能性がある。
3.見られたい
人間、自己顕示欲求というものがある。例えば、糞うるさいランボルギーニを乗り回したり、露出度の高い売女みたいな服を街中で着ている女がそうだ。
彼の格好、容姿ははっきりいって冴えないモブ顔で、冴えない一般人代表のようだった。そんな彼がもしも自己顕示欲が人一倍強い人間だったとしたら、このような行動に出る可能性がある。
4.5分だけバカになった
誰かが言っていたが、人は1日のうちに5分間はどうしようもなくバカになるという。もしかしたら、彼の熱唱は彼のバカになる時間がたまたま外出時だったという可能性がある。
5.鬼メンタル男だった
完全に通常の状態でそんなことができる、鬼メンタル男だったという可能性もある。
普通の人は、酔っぱらいでもしない限り、彼のような行動はしないはずだ。不必要に注目をひくことは恥ずかしいので避けようとするし、そんなことをしようものなら、危ない人扱いされて、知り合いにでも見られていた場合は目も当てられないという意識が働くはず。
当の彼は明らかにシラフで、意識はしっかりしていた。
本当のところは知る由もないが、視線恐怖症で悩んでいる人は彼を参考にするとよいかもしれない。