土日の街、特に日曜日の街、とりわけデートスポットの破壊力と言ったらなかった。
カップルが山のようにいて、シングルはお呼びでない。
ファミリーは仲間に入れてあげよう。
まさにそんな暗黙の了解を享受している空間、それがデートスポットだ。
エロ禁を解除して、夏に突入した頃は精神ダメージの連鎖で出る杭がどんどん打たれるように、出るシングルの精神は叩かれ、叩き潰され、沈んでいった。
しかし、今は違う。
そんな幸せそうなカップルを見ても、嫉妬も感じない。
本当だ。やせ我慢というわけではなく、俺そのものが変化したから心を病むということもない。
住吉付近のバス停でイケメンと顔が見えない彼女が抱き合ったまま動かなかった。
そんな光景を目にしても、イケメンと目をあわせられるくらい達観している。
これはエロ禁の効果だ。
エロい画像や映像、さらには妄想すらしないとこの境地に達することは以前のエロ禁、オナ禁生活4ヶ月で実証済みだ。
以前は4ヶ月だったが、もしもこれが、1年、2年と続いていくと、俺はこの女に対する煩悩を捨て去ることができるのだろうか?
それはそれでオスに生まれた喜びを完全に放棄することになるが、このまま傍らに女がいない周りと比較しての疎外感、苦痛に耐えるよりはマシかもしれない。
というか、女どうこうより、自分が生きていくことのほうが今は重要。もう転売も終わったし、収入がない今、完全に崖っぷちだからだ。
女のことを考えることは余裕があるからだ。
でも今は余裕もないし、性欲も封じている。異性関係においては、精神状態は自分でも驚くほど穏やかなものだ。
心のなかで糞女だの、邪魔なババアだなぁ!!!とか毒づくこともなくなった。
ただし喫煙者は相も変わらず、睨みつけている。