錦糸町の公園でベンチに座ったホームレスまではいかないけれど、小汚い格好をした初老の男性二人が仲良くベンチに座って1杯やりながら話していた。
小さな幸せを享受しているように見えたが、未来の俺の姿と重なった。
はぐれもの同士がひょんなことから意気投合して、仲良くなったというイメージ。
全然うらやましくなかった。
おそらく類友というやつだろう。俺もくたびれていくに連れて、ホームレスに近くなっていき、同じような格好、年齢、境遇のやつと寂しさを紛らわすためによりあい、交流をはじめる。社会からはみでた者同士過去のキズの舐め合いを始め、一時、話に花を咲かせて、別れ、虚しさがまた胸に去来する。この繰り返し。
あそこまで落ちたら、死ぬまでそうなるだろう。
今のうちにとは思うが、難しい。ただ、バイトしてみるのも少しくらいならいいかもしれないが、何も手に職、スキルを伴わない、時間を金に変換するためだけの仕事はもうできることならしたくない。
まさにそんな仕事を10年続けた結果、何も持っていないことに気づいてしまったからだ。
死ぬまで非効率な仕事を強いられるというのも嫌だ。
安定していて、かつ高収入そんな虫のいい仕事は頭のいい連中や幼少の頃から積み重ねてきた連中が独占している。
俺にはもう低調な安定か、とんでもない不安定かしか選択肢が残されていない気がする。