コンプレックスを得てからと言うものの、俺の顔はいつも絶望に打ちひしがれた顔をしていた。
絶望寄りの無表情。
写真は昔から大嫌い。
特に子供から大人の体格になった中2から。
写真の中の俺はいつも俯いたり、目を瞑ったり、引きつった顔をしたりしていた。
少人数での写真は全体を台無しにするような負のオーラが写真の中の俺から発散されていた。
今思うと大失敗だった。
俺は地蔵キャラのニヤニヤキャラを演じていたつもりだったが、そのキャラを演じている俺の顔はもしかしたら気持ちわるかったのかもしれない。
修学旅行の集合写真の中の俺の顔をカッターで削ったこともあった。
それにしても中1と中2の修学旅行の時の集合写真を見ると完全に別人。
まぁ、子供が大人になったんだからそりゃそうかもしれないが人間とクリーチャーのような差がある。
絶望を抱えた内面を隠しきれずに顔に出ちゃってる。
困ったような顔。
そりゃ、困惑もするわ。
まさか成長期にこんな顔になっちゃうなんて完全に鳩に豆鉄砲だもの。
今の姿を自分で見るに、子供の頃の面影は殆ど無い。
でもそれは内面が写真に出ちゃってるだけかもしれない。
内面が子供の頃のようなやさぐれていない光属性だったら、顔が変わった時期でも面影を見て取れたかもしれない。
それほど外面と同時に内面が変わってしまったのだろう。
それのことを証明するのは写真。
証明写真。
なんちゃって。