しゃべれない。
写真に写りたくない。
そういうのが積もり積もって他人とのまともな接触を避け続けてこの有様。
いいよ一人は。そんな心配しなくて済むんだから。
でも常にこれでいいのか、このまま一生これでいいのか?という燻りが常にある。
それが自分を不幸足らしめている原因の一つ。
自分一人で楽しめる幸せは普通に俺は見つけている。
他人と一緒に楽しむ幸せを放棄した分、人の倍くらい見つけてるはずだ。
これじゃまるでゲームの1Pモードだけ極めたような存在だ。
でも一人の幸せはどうも限界があるようだ。
こないだ韓国人を無事に目的の駅まで案内した時。
ミッションを完了し、ベンチに座った後。
ついさっきまでの出来事を回想している間。
おれは、とてつもなく幸福な気分に浸っていた。
ドキドキ、ワクワク。
アレほど気分が高まって興奮したのは本当に久しぶりだった。
そして相手は女の子。
なんだ、そういうことか。
女の子と絡みたいんだ。
女の子としゃべったり、軽いボディータッチなんかすると
ウキウキするもんなんだろう。
まだ友達以上恋人未満みたいな感じの大学生を見かけるときがあるが、男をみてみると実にそんな感じ。
俺はその大学生ウキウキ時代を取りこぼしてしまった。
何という失敗。アホすぎる。
ああ、それが幸せなのか。
ふーん。
どうすっかね。こりゃ参ったワイ。