その昔ヒカルの碁という漫画がありまして、面白かったなぁということが思い出された。
17巻までのストーリーは本当にお手本のようなストリーテリングで見事としか言いようがない。
まだまだ未熟だが才能ある主人公と最強の教師の幽霊、ネットの特性を利用してフィクションとリアルの折衷を違和感なく表現できていたと個人的には思う。
この物語は主人公進藤ヒカルの成長物語がメインなんだと思うけれど、序盤にせつなさを感じるポイントがある。
それは、学校の囲碁部の話なんだけど、最初主人公は一番弱い。
しかし、最強の教師に毎晩しごかれていて、ヒカル自身の才能もスラダンの桜木並みなので、ものすごい速度で成長していく。
そして、囲碁部の筒井先輩やその筒井先輩より強い三上までをもごぼう抜き。
三面打ち(一人で三人を相手にする(思考時間も少なくならざる終えない))で一気に成敗できるくらいに主人公は強くなりすぎてしまう。
そして、主人公はより高みを目指し囲碁部を捨て、院生(棋士養成所の生徒)になる。
という流れなんだが、強くなりすぎてしまうことの哀愁のようなものを強烈に感じた。
ストーリーが面白いだけじゃなく、そういう時の登場人物の心情とかもいい感じに表現されているのがこの漫画。
囲碁という地味と言ったら失礼だが、古風なゲームを題材にしてここまで美味しく料理できる原作のほったゆみさんの才能はすごいと当時から思っていたが、彼女は今何をしているんだろう?
ところで、今の俺の顔はこの漫画に出てくる椿というキャラにそっくりである。
(まぁ、これが書きたかっただけなんだけど。気になる人はググってみてほしい)