今日電車に乗ったんだけどスマホがポケットの中からポロッと出たことに気づかなかった。
いきなりAirpodsの通信が途切れたので何事かと思ってスマホを探すもない!
終わった・・と思ったら若いメガネの男性が
「もしかして、ケータイ落とされました?」
と声をかけてくれた。
俺はその時事態が飲み込めていなかったので、フリーズしてかなりどもってしまった。
きっと変なやつだと思っただろう。
もう一度復唱してくれた。
礼は言えた。なんとか。
ショックでベンチにへたりこんでしまった。
落としたことがまずショックで、次に満足なお礼を言うこともできなかったのもまたショック。
今回落としたということは次があるということだ。前にもあった。
最初はiPod第3世代。
次は忘れもしないiPhone6。これは置き引きされた。
後日探し回った結果、全人類が嫌いになるほどのトラウマを植え付けられた。
そこにあるのに為す術がない・・・臭くてうるさいパチンコ屋の中にも入ったのにそのパチンコ屋に泥棒がいるのに何もできなかった。警察もだめ、パチ屋の店員も取り合ってくれない。2015年、渋谷での出来事だったんだが、俺が渋谷という街も渋谷の住人も嫌いなのはここからきてるのかもしれない。(忘れてたけど)
でも世の中にはこんなに親切な人がいるんだ。
俺がどもってしまったのも驚きからだ。
落としたのはショックだけど、落としたんだなぁ~でショックは引いて、今後落とすかも知れないという恐怖に変わるのでショックそのものは一過性のもの。
俺が驚いたのは世の中にこんなに親切な人がいるんということ。そこに驚いた。
信じられない!という感じだ。
なんか泣けてきた。(ことが終わってから)
その人の優しさもそうだけど、今までなくしたものはもう二度と自分のものには戻ってこなかった。それはいい。海外はそういうもんだし。日本は意外と戻ってくるという話は聞くけど、俺の場合は戻ってこなかった。置き引きの盗人どものせいで。そして世の中そんなやつばかりだと疑心暗鬼のような感じになっていた。
でも親切な人は実際に存在した。いや、忘れてた。かつて落とした定期券を拾って名字を大声で連呼して届けてくれた眼鏡の女性がいたことを。
理由はよくわからないけどこみ上げるものがあった。
流石に号泣はしなかったけど。
タイミングを見計らってありがとうございますとお礼を言った。そして彼は去っていった。
でも彼もなんかお礼の言われ待ちみたいなタイミングを計っているようでこれまた申し訳ないことをした。わずかとは言え時間を取らせたのも申し訳ない。
わざわざ電車を降りて届けてくれたらしい。
しかし、ひび割れた彼のスマホの上にちょこんと自分のスマホが裏返しで乗っていたんだけどおや?とそこはちょっと思った。
以上
1年前