電話ができない携帯電話。
普通の人からしてみると?だろう。
病院に入院する前、ふとした拍子で携帯電話番号を聞かれた。
書類とかに記入するでなく口頭でいきなり聞かれたもんだから、俺はパニックになった。
なぜなら、携帯番号を持っていないからだ。
番号ね。
しかし、携帯電話は持っている。
ネットやグーグルマップ用だ。
番号を持っていないのは、他人との繋がりがないから。
必要がないから。
俺がパニックになった理由は、携帯電話をいじっているところを聞かれた人に目撃された可能性があったから。
ここで、もしも携帯電話持ってませんと言えば、うそだし明らかに怪しい人だ。
今の時代、俺世代の携帯普及率は100%近くあるだろうし(多分)、持っていない方が変。というか、持っているけど教えたくない何らかの事情があると思われても何ら不思議じゃない。
携帯電話を持っているのに、持っていないと嘘をついている。
そこには何か隠してるんじゃないかという疑念を持って然るべきだからだ。
結局俺は、真実を打ち明けた。
しかし、これまた怪しすぎる事実だ。
「携帯電話は持っていますけれど、電話ができません。」
電話ができない携帯電話・・・。
???
機械について明るくないおばちゃんはこうなるだろう。
医療の道でひたすら頑張ってきた人たちに、キャリアとMVNOの違い、格安SIMのデータプラン、音声プランの違いやSIMカードについて講釈をたれた所で理解できるはずもなく、「何言ってるんだこの人は?」とますます変な目で見られることだろう。
入院後に個人情報を本格的に聞かれることになるが、そこでも携帯電話は空白にしていた。さらに親の携帯も聞かれたが、家を離れる時にメモを渡されていたが、急に思い出すのも無理な話なので、スルーした。
しかし、病院側からはしつこく聞かれた。
しまいには、個人情報が病院側から漏れることはありませんと、完全に俺が教えたくないこと前提での物言いだった。
本当に知らないんだってば。
しかし、前にスマホでなんかあったときのために写真に取っていたのを思い出した。
同時にそれを削除したのも思い出した。
そして、30日間は最近削除した項目にストックされる事実を思い出して、写真アプリのアルバム欄にそれがあるのを発見し、最後の最後で看護師に伝え、事なきを得た。
しかし、なぜこうも根掘り葉掘り聞くのか。
法律とかそういうのが絡んでいるのだろうか。
と同時に、天涯孤独になったら入院すらできんのかという危惧さえ頭をよぎった。
いや、マジで。
病院システムで既に預り金10万を病院に預けている。
にもかかわらずだ。
今回の手術代は10万未満になることはほぼ確実。
しかし、何重にもトリッパグレの予防線を張っている病院だなあと今回の病院について思った。
(以前の病院は、連帯保証人だけで、預かり金なるものはなかった)
親が死んだらどうすんのよ俺。