やっと病院に行った。
身長と体重を実際に測ったら、自己申告した身長・体重ピッタリだった。
身長はともかく、体重は最近全く測っていなかったから適当だったが、まさかぴったり賞とは。自分の重さって案外体が記憶しているのかも。
少し困ったのが、家からどれくらいかかるか聞かれた時。
この質問でフリーズした。
「どれくらいかかるか」
これは少しの間逡巡して電車での時間を聞いているのだなと判断した。
しかし、俺はここまで3時間弱かけて徒歩でやってきたのだ。
1度だけこの病院に来たことがあったが、その時も徒歩だった。
一度も電車で来たことがないため「わからない」。
しかし、病院までの距離が距離だし相手は俺が「電車を使って来た」と完全に思い込んでいる。
ここで「徒歩で3時間弱」と答えてもよかったが、それを答えることはとっさの判断で避けた。
(普通の人風を装ったものの)俺の雰囲気からして十分異常(引きこもり特有のアレ)だったが、これから入院する際に世話になる手前、なるべく異常行動者だというエピソードを減らしておきたかった。
徒歩で3時間かけて遠路はるばるやってくるなんてインパクト激烈だし、こちらとしてもなるべくこれから世話になるであろう人間の印象に残りたくない。
(でも、連絡先のケータイ電話絡みでやらかしたけど)
俺は咄嗟に嘘をつくのが苦手だ。
だから俺は最寄り駅を告げた。しかし、知らないという。
そこで最寄り駅から更に距離が離れているメジャーな駅を言った。
そうしたら、ああ!あのへんねと理解した。距離的な目算もつくらしい。
そして、1時間位ねとその人の経験から俺が答えるべき答えを導きだした。
普段から普通の人がまずやらないであろう行動を日常的にやっていると、こういうときに思わぬ弊害が現れるのだと知った。