まさかここまでいくとは思わなかった。
ちりも積もればというやつか。
それはそうと俺は今日とんでもない行為をやってしまった。
渋谷の歩道橋で眼の前にいる老人二人組が糞狭い工事中の歩道橋でマイペースにくっちゃべっていて後ろが詰まりまくっていたんで、イライラする前になんとかしようとした。
それがイライラを防止する最もよい手段だからだ。
俺は左のババアの老人の左の微妙なスペースから追い抜かそうとするも無理そうだったんで、その老人の肩をそっと軽いタッチで払い除けた。
老人はぎょっとしていたが、俺はさっさとその場を逃げ出した。
こういうおしゃべりに夢中で周りにどれだけ迷惑をかけているか自覚のない存在といえば女全般なのだが、若い女だったら絶対できない。老婆だから出来た。若い女だったら痴漢で通報されるかもしれんし。
とどのつまり赤の他人に触ったのだ。一応、失礼と言ったが、
雑踏で聞こえなかったっぽいから無言だと思われたっぽい。
しかしこれって何かの犯罪になるんだろうか。
一応通報はされなかったが。
しかし、実際にこういう行動をやってみて酷く嫌悪感を感じた。
自分に対して。
なんでこんなことしちゃったんだろう・・・と。すべきではなかった。何であろうとも。
流石にやりすぎた。
普段老人を目の敵にしているのが歩道橋の上の大混雑という中で自分の中で何かが弾けたんだと思う。
躊躇なく他人の老人の肩を払い除けた。社会不適合者でもこんな事はせんだろう。
いよいよ本格的にヤバイ人間になっていってしまっているのかもしれない。