・散歩
亀戸と錦糸町の間を歩いていた。ふと斜め前の自転車が止まった。
どうやら長いスカートが自転車のチェーンに絡まってしまい取れないらしい。
俺は遠目からその女性が困っているのを見ていた。
すると後ろから女性が来た。
観察してるとその自転車の女性の元に寄っていって助けようとしていた。
その間俺はその場で遠巻きに観察していたが、通り掛かる人はみんなスルー。
一方の厄介事に自ら関わりにいった女性は結構苦戦していたっぽかった。
事の顛末を見届けることなく俺も数多くいる事なかれ主義の人達とともに錦糸町方面に歩を進めた。
今日もまた困っている人をスルーしたわ。
でもすぐに親切な人に拾われてあの女性は不幸中の幸いだったろう。
しかしスルーした後も微妙に気になった。
なんせ絡まった瞬間から誰かに助けられる瞬間まで見ていたから。
多少考えてみた。ああいうときどうすりゃいいのか。
自転車屋は近くにないしスカートが絡まった状態をどうやって移動すりゃいいのか、とか。
ネットで対処法を調べてみた。
絡まった方向と逆向きに車輪を動かすというような当たり前のことが書いてあった。チェーンに巻き込まれるとかなり難易度が高くなるとかも。
知恵袋も見てみたが結局のところ首尾よく外れたところでオイルまみれでスカートは廃棄処分になるでしょうとかそんなことが書いてあった。
なので思い切ってハサミで切っちゃったりと。でもそのハサミはどこから調達すればいいのだろう。
また同じような経験をした人の体験記も見てみた。
その人はお兄さんに助けられたようだけど、こういう事態になったときパンツいっちょうで歩くかもしれないとか、周りの人の視線が恥ずかしいとかそういう気持ちらしい。
自分でも考えてみた。
通り掛かる人を強引に巻き込んで10人くらい集めて壁を作ってそのなかでスカート抜いで作業をするとか、市民が困っているという理由で警察に電話して助けてもらう(ハサミ持ってきてもらう)とか。
でもいずれも誰かの力を必要とすることに気づいた。
もしロングスカートが自転車に巻き込まれてしまった場合自分ひとりの力じゃどうしようもできない・・・俺はスカートはくわけじゃないけど自分ひとりだけじゃ解決できないという怖さを感じた。
自転車と自分が一体になっちゃってるから動けない、その一体化状態で移動しようにもスカートとチェーンが絡まってるから動かない。即席の無人島である(?)。
もうスカート抜いでパンツ一丁でなんとかするしかないけどそれも現実的じゃない。
ほんとに八方塞がりになる危険性をはらむ不安因子がこんな日常に転がっている。おっかない。
でもネットを調べるとドレスガードという自転車に取り付けるシロモノがあるらしい。多分これで防げるんじゃないかと思う。
このブログを女性が見ているのかどうかわからないけど散歩日記兼注意喚起として注意を促したい。男性の人も気が向いたら嫁さんとか彼女に教えたって。
以上
1年前