昔、ザ・ノンフィクションで42歳(当時)で27年の間家に引きこもっていた人の話をやっていた。
その人は15歳の頃に酷いいじめにあって、それから、ずっと27年引きこもり生活をしていて、家の中は当時の雑誌が所狭しと山積みにされている。
ご飯や寝るときは、その大量の本の山を15分くらいかけて片付けて、食事をして、また、元に戻すという事を毎食やっていた。
生活はずっとテレビを見ている生活。
近所の騒音に怯える生活を送っていて、精神の薬を常用している。
生活は母親(78)の年金で賄われている。父親は忘れたけど、病気だったかで亡くなられた。
そんな彼はその後、自給自足の家で農作業をしたり、マラソンをしたりするのだが、それまでの人生は結局はずっとテレビを見ていて、騒音にビクビクして、精神の薬で自分を抑え、それに付き合っている母親はもういつ死んでもおかしくない。
かなり、詰んでいる。
自分より酷い人間がいるのかと驚いた記憶がある。
しかし、今は俺はその家族がいない。
彼にとって母親は世話役と共に金の出処だ。
精神薬を処方されているので、母親が死んでも生活保護で生きていけるだろうとか2ちゃんの実況のレスで見たけど、生活保護になったとして、彼はちゃんと生きてけるんだろうか。
俺の場合は、もう絶縁状態に近い状態なので、親の金は宛にできない、俺の貯金が俺を支えている。あと、精神科にも通っていない。生活保護は働けるとみなされて無理なんじゃないだろうか。
そういった意味では、今の俺の現状は彼よりも酷いことになっているのかもしれない。
彼を見て意外だと思ったのが、パソコンもケータイもない生活をしていたということだ。
これらはインターネットができるひきこもり御用達のガジェットでもある。
ひきこもりの人は(俺含め)一日をネットをして過ごすというイメージがあったので、よくネットなしで引きこもれるなと思った。俺にとってのネットが、彼にとってのテレビなのだろう。
彼の周りにはもう20何年くらいのアイテムがいっぱい置いてあって、まさに過去に生きているんだと感じた。
俺も昔はよかったなぁと思う人間だ。懐古厨。
今が充実していないから、充実していたころの記憶を重視する。
その反動からか、子供の頃にプレイしたゲームを何回もプレイしたり、子供の頃に連載されていた漫画を繰り返しみたりしている。
しかし、番組最後で彼がノートパソコンを購入していた。
なぜ、やっとこさ、家から出てマラソン大会にも出場し、人生これからだ!って時に、こんな呪いのアイテム(ネット中毒誘発マシン)を買うのか。誰かの入れ知恵なのか。彼の今後が心配でならない。