俺は家があるホームレスだ。
意味がわからないだろう。
物理的に家はあるから心的なものだ。
最近、家にいることを恐れるのだ。
なぜなら、ここまで落ちぶれた俺が形成されたのは家に引きこもっていることが主な原因だからだ。
俺はそこから脱却を試みて、成功した。
家は居心地がいい。でもくつろぎすぎてしまう。
そのため、腐ってしまう。
また、家には誰もいない。
こう誰もいない家にずっといると孤独を感じるのだ。
だから飯を食うためと風呂と寝るためくらいにしか家を利用していない。
そんな生活なんて今までしたことがなかった。
ずっと家にいて、家に寄生する寄生虫のようにパラサイトしていた。
親にも家にも。
脱却した現在は、外こもりとなっている。
都会で外こもり。
俺は散歩に出たり、図書館に行く。
これらの行動は、考えようによったら、人間と空間をともにするための行動でもあり、人恋しさの現れなんじゃなかろうか。
寂しさを紛らわすための徘徊。
しかし、逆に寂しさを募らす結果となっている。
街歩く幸せのひと時を分かち合うカップルとかファミリーの存在が。
でもいいや。家にいるよりマシだ。
そんなことを考える。
進歩したのか何なのか自分でもわからない。
引きこもりのときよりは進んでいる気がする。