外国暮らしのない日本人の俺がいうのもなんだが、日本人特有の精神のひとつ、
俺が我慢すれば丸く収まる。
今日その精神を目の当たりにした。
良く言えば、大人の対応。
悪く言えば、言いたいことも言えないこんな世の中はポイズン。
静寂で包まれる図書館の中。
突然でかい声が聞こえてきた。
最初知り合い同士が話しはじめたと思ったが、どうもそういうわけではないらしい。
相棒の三人トリオの一番年長の三浦さん似の人が入れ歯を入れ忘れたかのようなものすごい滑舌の悪さで座っているおっさんのリーマンに向かって声を荒げている。
はっきりいって何をしゃべっているのか全然聞き取れなかった。
しかし、次に、でてけよ!と怒号が。
ケータイがどーのこーのいちゃもんをつけている。
元々この二人の位置関係は、怒鳴っている方が窓に向かって座っていてその真後ろの席におっさんリーマンがいた。
おっさんリーマンは無視してどうもケータイをいじり続けていたらしい。その間も三浦さんは立ったまま文句を言っている。
三浦さんの格好は一歩間違えたらルンペンの小汚い格好。
そして次の瞬間。
でてけよ!という怒号と同時に肩をどついた。
えええええええええ。
立派な暴行罪なんだが。
おっさんリーマンは何やねん!という感じだったろうが、自分を抑えて何も言い返さなかった。
三浦さんもそれっきり自分の元の席に戻り作業を再開した。
座っているおっさんリーマンも結局でていかなかった
・・・・・。
その後、その三浦さんの隣の席の人に対しても今まで我慢していたのか、隣の人にもピーピー言い出した。とんだとばっちりだ。
その人もおっさんリーマンで、すいません・・・と平謝りしていた。
その二人に対しての三浦さんは同じことを言った。
家でやれよ!
それにしてもこのやり取りの中同じ室内にいた全員が同じことを思っていただろう。
おまえがでてけ。
俺も思っていた。
近くにいた私服の男子高校生もびっくりしていて、三浦さんの方を何回もチラ見していた。
それにしても、家でやれよ か・・・。
それは土日にたまに現れて4人で女子会してるあのバカ娘共にこそ言ってやってくれと思った。
それにしても、三浦さん。なんて神経のか細いおっさんなんだろうか。
こういう人が事件を起こすんだろうなぁ。でもたまにいるんだよなぁ。
パソコンでカタカタ、マウスカチカチしている人がいたら、家でやれよ!って言われたんだろうか。
もしも俺が言われた立場だったらどうだっただろう。
こういう時に俺は現実では弱気なので頭の中で後から強気のシミュレーションをよくする。
三浦さんに対して、強気で行けただろうか。
無職だから別に強気で行っても構わないけど、平謝りで済ませるだろう。
「そんなに小さな物音に神経質な性格なら家で引きこもってろ!公共施設でいい年して騒いでんじゃねーよ、お前こそ出て行け!」
しかし、周りからは大ブーイングだろう。お前ら、喧嘩は外でやれ!皆が皆そう思うに違いない。
手慣れた人なら「ここじゃ迷惑だからな・・・表出ろや、おっさん」
と場所を移して喧嘩なり始めるんだろう。
今回の被害者のふたりのおっさんにしても、周りへの迷惑と、今後図書館に出入りしづらくなるなどとトレードオフして最も賢い選択肢を選んだんだろう。
それが、俺が我慢すれば丸く収まる的な発想。
しかし、言いたいことも言えずに我慢してポイズンを中に溜め込む。
働いている人は多分こういう理不尽な目に今までの社会人生活で何度も遭ってるんだろう。
だから今回のおっさんリーマンたちも今回も理不尽なことがあったなぁと酒の席で話しているかもしれない。
やっぱりこれが大人なのかもしれない。
俺が渋谷ドキュンに対して取った行動と一緒の行動。
でもその反動で精神がかき乱されてめっちゃ損をした気分になった。
俺は髭の生えた子供だからそんな簡単に割り切れんのだ。
アメリカとかじゃどうしてんだろうなぁ。
銃社会だから考えたくないな・・・。