残り寿命僅かなちょうちょを2年半ぶりくらいに発見した。前は永代橋付近で見つけて川に放った。
俯いて歩いていると発見。
また橋の近くというか橋の真上。
橋の手すり?を昇っていく。
生命の粘りを感じる。
散り際に根性を見せるのは線香花火と一緒か。
橋の手すりの上の部分まで来て動かなくなった。
死んだのかな?と思って突いてみると動いた。
ここで気づいたんだけど羽が4枚もある。
外側に2枚、内側に2枚あった。
こんな無機質な鉄っきれの上で死ぬというのも哀しいなと思って羽をつまみ上げて近くの葉っぱがいっぱい生い茂ってるところに放った。
うまく着地する。まだ諦めていない。最後の力を振り絞り枝葉をゆっくり確実に昇っていく。
安定したところを見届けてその場を後にした。
ちょうちょは死に際に何を思ったのだろうか。
無機物から有機物への移動は嬉しく感じたか?それとも余計なことすんなと思ったか?あるいは何も感じないか。
結局俺の自己満足と言う結論に至った。
これがドキュメンタリー映画だったらとんだクソ映画だ。ちょうちょは今まで誰の手も加えられずちょうちょの人生を過ごしてきて今まさに寿命が尽きようとしているという状況まで来た。いよいよクライマックスだ。そして幕を下ろすという場面でいきなりなんかよーわからん変な巨人がどこからともなくでてきてひょいと手でつままれ死に場所を強制的に移動なんぞされたらもうそのドキュメンタリー映画は台無しもいいとこの駄作だろう。
人間の世界じゃありえない奇跡だなとも思った。
何かに向けて一心不乱にスマホで写真パシャパシャしてる怪しげな男がいたとしたらそれは俺だ。